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グラム陰性好気性桿菌

レジオネラLegionella

レジオネラは、自然界の淡水・土壌環境中どこにでもいるありふれた細菌です。しかしながら、レジオネラに汚染された水滴(エアロゾルといいます)をヒトが吸入すると、肺の中で増殖し、治療をしなければ死に至るような重篤な肺炎を引きおこすことがあります(レジオネラ症といいます)。最初のレジオネア症のアウトブレイクは、1976年にアメリカのフィラデルフィアで開催された退役軍人の親睦団体の会合で発生しました。その後の研究により、これは会場となったホテルの空調設備をレジオネラが汚染していたためと判明しました。一方、日本におけるアウトブレイクは、そのほとんどが温泉などの入浴施設の汚染によるものです。つまり、ヒトが発明した空調機器や循環式浴槽のようなデバイスにより、レジオネラに汚染されたエアロゾルが発生し、レジオネラはヒトの肺に到達できるようになったのです。

レジオネラ症はヒトからヒトへ伝染しません。レジオネラにとってヒトへの感染は出口の無い袋小路です。それなのにいったいどうやったらヒトに対する病原性を獲得・進化させたりすることができるのでしょうか? 実は、レジオネラは自然界において自由生活性アメーバを自然宿主として、その中で増殖します。アカントアメーバ(Acanthamoeba)を始めする自由生活性アメーバもまた、自然界中どこにでもいるありふれた微生物です。レジオネラはこのような自然宿主との相互作用の歴史の中で、アメーバ中で生存・増殖するためのメカニズムを獲得しました。ヒトに感染した場合、同じメカニズムを使ってヒト肺胞マクロファージに感染・増殖し、肺炎を引きおこしているのです。この点は、他の病原菌と比較した場合、レジオネラの最大の特徴といっていいと思います。

永井 宏樹(大阪大学微生物研究所)

肺胞マクロファージ
肺は、ガス交換というその機能上、外界と接触する表面積が非常に大きい器官です。そのため、病源菌など外部から入ってくる異物を食べて除去(貪食)する目的で、白血球の一種である肺胞マクロファージが、多数配置されています。