グラム陰性通性嫌気性菌

腸内細菌科

赤痢菌

セラチア

ビブリオ科

バルニフィカス

その他のグラム陰性通性嫌気性桿菌

エロモナス

グラム陰性好気性桿菌

百日咳菌

ブルセラ

バルトネラ

レジオネラ・ニューモフィラ

コクシエラ

グラム陰性好気性球菌および球桿菌

淋菌

アシネトバクター属菌

らせん菌群

カンピロバクター

ヘリコバクター・ピロリ

グラム陽性球菌

ブドウ球菌科

黄色ブドウ球菌

レンサ球菌科

化膿レンサ球菌

グラム陽性芽胞形成桿菌

炭疽菌

ガス壊疽

ボツリヌス

グラム陽性無芽胞桿菌

リステリア・モノサイトゲネス

放線菌とその関連細菌

ジフテリア菌

らい菌

マイコプラズマ

その他のマイコプラズマ

クラミジア

肺炎クラミジア

アメーバ共生クラミジア

口腔細菌

口腔細菌(アクチノマイセス)

口腔細菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)

ミュータンスレンサ球菌

ようこそ不思議な細菌の世界へ

グラム陰性好気性球菌および球桿菌

淋菌Neisseria gonorrhoeae

1879年にAlbert Neisserによって淋病の原因菌として発見されました。発見者と病名であるgonorrhea (種がどくどく流れるという意で、淋病の外尿道口から膿みがたくさん出ることに由来する)にちなんで名付けられています。

国内では感染症法で5類定点疾患として動向調査がなされています。全国約1,000カ所の性感染症定点病院から年間約10,000の患者報告があります。

男性では尿道炎、女性では子宮頸管炎を主に起こします。未治療ではさらに精巣上体炎や卵管炎など体の内部に病気は進行してしまいます。

淋菌は線毛や複数の外膜タンパク質の機能によって上皮細胞へ接着し細胞内に侵入することに加えて、菌を排除するために集まって来る好中球内で殺菌されず生存することができます。また細胞表面にあるタンパク質は頻繁に抗原性を変換することが知られており、淋菌に対する効果的な免疫反応は期待されません。これらの理由で抗菌物質による治療が必要不可欠です。しかしながら、淋菌は多くの薬剤に対して耐性を示す株が広がっており、今後治療が困難になる症例が出現することが危惧されています。

大西 真(国立感染症研究所 細菌第1部)

尿道炎患者検体中にみられる好中球内の淋菌