理事長ご挨拶

第56代理事長 赤池孝章(東北大学大学院医学系研究科環境保健医学分野)

この度、平成30年1月1付けで、堀口安彦前理事長の後任として日本細菌学会第56代理事長を拝命いたしました。伝統ある日本細菌学会の理事長就任の栄誉と重責に身の震える思いがいたしますが、新理事・評議員の皆様のご支援、ご協力のもと、本学会の発展のために全力を尽くす所存です。

日本細菌学会は、1902年(明治35年)に第1回日本医学会(微生物・寄生虫学・衛生学の連合部会)が開催されて以来116年、1927年に北里柴三郎先生が総会長として第1回衛生学微生物学寄生虫学聯合学会(第1回日本細菌学会総会)を開催されて以来91年の長い歴史がございます。学会創設当初より現在に至るまで、日本の生命科学の原点という立場から、細菌学、微生物学、感染症学および関連領域の研究と教育、また学術・教育・公衆衛生・医療行政において、アカデミアを牽引する大きな役割を担ってきました。

実際、本学会においては、細菌学、真菌学、感染症学、生体防御・免疫学、感染疫学、環境微生物学、ワクチン・抗菌化学療法などの予防・治療医学を中心に、医学系・歯学系・薬学系・農学獣医学系・理学系・生命工学系などの幅広い領域の多彩なテーマを学際的に取り扱っています。また、これまでの学会活動を通じて、基礎生物学、生命科学、医学生物学の基礎から臨床の関連領域を広く包含した多彩な研究分野において縦横断的で活発な学術交流が行われてきました。さらに近年では、農学分野における植物病理、水質浄化・土壌改良や発酵・応用微生物学、理工学分野におけるモデル生物学やゲノム疫学、バイオインフォマティクス、また、エクスポゾームなどの環境科学研究まで包括する多彩な領域における最先端技術や新たな学術領域の開拓など、本学会が推進する研究フロンティアの裾野は加速度的に拡大しています。

一方で、この数年は、予算運用、当該分野における人材育成、教育・啓発・アウトリーチ活動の事業展開など数々の課題を抱えておりますが、堀口前理事長のリーダーシップのもと強力に推進された財政再建策が功を奏して財務状況は顕著に改善しています。今後さらに財政基盤を強化・安定化することで、本学会の創立当初からの永年のミッションである、異分野・多分野への波及効果を目指した学術交流活動をより効果的に展開してまいります。すなわち、本学会の極めて学際的な特色をさらに深化させるため、これまで関連学協会において幅広く展開されてきた細菌学・微生物学の多彩な学術活動を糾合することで日本細菌学会のより一層の活性化を図る所存です。

3年間の任期中に、歴代の理事会と理事長のもと推進されてきた改革を継承し革新的な学会運営に取り組むことにより、日本細菌学のさらなる発展に向けて最大限の努力をいたしますので、会員の皆様のご理解、ご支援、ご指導をいただきますよう何卒宜しくお願い申し上げます。

第56代理事長 赤池孝章
(東北大学大学院医学系研究科)